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?「前の工場でいたとき、俺は工務部で計装設備を担当していた。あるときのことだった、第二製造課の副課長が俺のところに怒鳴り込んできたんだ。訊くと俺の仕事に不備があって、頼んだものと違うものがきたということだった。そんなはずはないと俺は言ったんだ。だって第二製造課から送られてきた仕様書をチームで確認して、上司の確認もしたからだ。実際、俺の仕事に間違いがあったわけではなく、クレームをつけてきたあいつ自身の記入間違いだった」
「それは……災難でしたね」
僕はその時は工務部の仕事の内容を殆ど知らなかったからそう曖昧に相槌を打つことしかできなかった。
「災難だけじゃなかった。あいつは認めなかったんだ。お前の確認不足だって、全部お前の責任だって、さ。何言っても、言い訳だって一蹴されて無駄だった。社会に出ても言葉の通じないやつはいるんだって、その時初めて知った」
「……」
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