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中二病の些細な好奇心
僕は、岡本というクラスメイトを気にしている。
いつも、顔や腕や足などいたるところに切り傷を付けて登校してくる。
半袖から生えた腕は白く細いから、赤がコントラストとなり余計目立つ。
彼が頭に巻いている包帯も外しているところをみたことはない、
しかしそういった近寄りがたい格好をしているから、僕らも彼にはろくに近付かない、最も彼自身も友好的な態度ではなく皆、彼からは挨拶等業務的な言葉しか聞いたことがないため仲良い人もいなく、彼は浮いていた。
例にも漏れず僕も周囲のクラスメイトと同じように彼とは距離を置いて接しているのだが、日に日に増える生傷に彼は虐待されているのでは?という懸念が頭の中で存在感を増している。
中学生になっても虐待事件などは多々ある、親に逆らえないよう教育をされているのだ、呪符のように頭の芯から恐怖で洗脳することで脳に恐怖を刻み付ける。サーカスの獣の調教のようなものだ。彼もそうなのかもしれない、最も僕にはさして関係のない話ではあるのだが。
「あれ?」
ある日のこと、岡本は学校を休んだ。窓際の一番前の隅、珍しい、そういえば普段はいつも登校してきているのに。虐待殺人事件などが脳裏に浮かぶ、もしかして、だなんて疑惑がわいてきた。
「なぁ、岡本今日は休み?」
俺は隣の席の宮前に話しかけた、宮前は、あ?と一瞬沈黙したあと、すぐにああっと合点がいったように
「岡本な、休んでるらしいぜ、それがどした?」
「なんで休みなのかな」
「なんで?って知らねえよ。お前、岡本と仲良かったっけ」
「いや…」
別に仲が良いわけではない、しかし気にしている。身体中の生傷、皆は気にならないのだろうか
「ああ、そういや岡本のねーちゃん、すっげぇ美人だったな。前の体育祭の時でさ、みんなその話で付きっきりだったぜ」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら宮前は語る、どうでもいい、いやむしろ美人で通っている女性こそ裏があって、虐待などをしているのかもしれない。
胸にモヤモヤがこもりだす。
「俺、岡本の家に行くわ」
「…はぁああ?」
宮前は目を丸くして、すっとんきょうな声を出す。
「なんで?、そんなに仲良かったっけ?そんな印象ねーんだけど」
宮前は言う。クラスで浮いている岡本、仲は良いわけでもないし話もしたことはない。一方的な興味だ、しかし正直に言っても宮前は納得しない
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