【前編】

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 そうやって二箇所同時に刺激を与え続けているうちに、次第に抵抗する身体から力が抜けてきたのが分かった。出される言葉に抵抗の色は無くなり、快感の喘ぎに取って代わられつつある。  ――やっと効いてきたか。  すかさず、その入口に小瓶の口ごと突っ込んで、残りの中身の全部を流し込む。  そうやって、先ほどヤツ自身の精液と共に、俺がケツの穴に塗り込んでやったもの。  持ってきた小瓶に入っていたのは、性交の際の潤滑液として使われる普通の香油だけれど、そこに俺は予め媚薬を混ぜ込んでおいたのだ。――それも、すこぶるつきで効果テキメン、ってヤツ。  本来なら少量でいいところを、規定量以上にたっぷりと混ぜ込んでおいたのだから、そりゃー効きも早いってーモンだろう。  加えて言えば、その効果は俺自身で既に実証済みだ。  クスリが効いてくると、まず全身に力が入らなくなり、少しの刺激でも下半身にずくずく熱が集まって、自分だけではどうにも収まりが付けられなくなる。他の誰かに突っ込もうが突っ込まれようが、一度や二度の絶頂では到底足りない。痛みなんてものがまず感じられなくなるし、自分の身体の限界までもがわからなくなる。ただただ熱が収まるまで求めるしか出来なくなる。  だから目の前の男も当然、あんなふうに抵抗していた姿なぞどこへやった、というくらいに豹変して、今や全身をビクつかせながら寝台に沈んでいた。  既にギンギンにそそり立ったイチモツが、更なる刺激を求めてだらだらと涎を垂らして濡れている。 「あ、ああ……早く……もっと……」  だらしなく開いた口からそんな言葉が洩れて、ようやく俺は、差し入れていた指を引き抜いた。  そしてすぐさま、自分のそれを、その窄まりの中へと捻じ込む。 「ぐ…ああうっ……!」  苦しそうなのは最初だけだった。そのキツイ中で無理やり俺が腰を動かすたび、それがただの嬌声に変わる。――オッサンが善がっても全然色っぽくも何ともねーけどな。
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