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「うわーホント綺麗だなー琥珀……やっぱり似合うね。セルマの瞳の色と同じだし、ぴったりだ」
「ホントに、もう……おまえはなんて可愛いヤツだ、グラッド!」
思わず目の前の身体をぎゅーっと抱きしめてやったら、すかさず脳天にごすっと鈍い痛みが降ってきた。
「――気安く触るな!」
「居たのかよ、リュシェルフィーダ……」
グラッドの身体の向こうに仁王立ちしていたのは、案の定、彼氏サマ。もちろん、殴ったのもコイツの仕業だ。
ったく心の狭いヤツめ、とぶちぶち呟きながら、俺は抱きしめたグラッドの身体を放してやった。
「ただの冗談じゃねーかよ。第一、俺に触ってきたのはグラッドの方からなんですけどー? これしきのことで、いちいち目くじら立てんなよ」
「貴様の言う『これしき』は、世間一般の常識と大きく尺度が外れてるんだ!」
「ホント小ウルサイ彼氏サマだなーグラッド。おまえ、いじめられたりしてないかー? こういうヤツほど、夜になると変態じみたプレイとかしちゃうんだぜー?」
「するか、そんなこと! 貴様にそんな心配されなくても、このうえもなく大事にして可愛がって優しくしてる! 夜だって……!」
「はいはい、グラッドが真っ赤になってるから、ノロケはそのくらいでお願いしますねー?」
所詮リュシェルフィーダも良い家のお坊ちゃんだからな。本当に、あまりにもスレてなさすぎて、言うことがどこまでも直球すぎて、もはや聞いてるコッチが恥ずかしくなるっつの。
「――で、リュシェルフィーダ? おまえも、俺の琥珀がちょー似合っちゃってる麗しい耳朶、拝みに来たの?」
「そんなハズあるかっっ!!」
「じゃあ、何しに来たんだよ?」
「副団長に頼まれたんだ! ――君に、部屋を変わる意志があるか訊いてくるように、と」
「は……?」
「まがりなりにもシュバルティエ家に連なる者を、いつまでも平民と同じ待遇にしておくわけにもいかないだろうが」
そういえば、そうか。――だからリュシェルフィーダは、入団早々から一人部屋を与えられていたワケだったしな。
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