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その時、いつもの様にタバコを吸いながら話している俺に対して社長は違和感を感じたみたいだ。
『今日の修理代はいくらですか?』と訊いた俺に社長はこう言った。
『矢沢さん。今日の修理代は約3万ですけどお代はいただきません、その代わりすぐ病院に行って診てもらって下さい!』
『金だけは必ず払います!請求書を下さい。明日必ず振り込みます!』と言った俺に、
社長はいつになく真剣な表情でその場で請求書を破り捨て、もう一度俺に
『とにかくすぐ病院に行って下さい。』
と言ってくれた。
俺は、3万からの修理代を要らないから医者に行け。と言ってくれた社長に対して、目の前で請求書を破り捨てた社長に対して、家族からあれだけ病院に行く事を強要されたにも関わらず拒み続けていたが、社長のあり得ない程のありがたい気持ちを感じて即日病院に行く事を約束してイーグルを後にしたんだ。
『俺とカマロの物語』にも書いたけど、イーグルの社長はそういう人なんだ。
俺は涙が出たよ。
俺はホントに人の縁に恵まれた人生を送って来たんだ。
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