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松井さんは「さらばシベリア鉄道」を歌い終わった。 「記者さん、佐藤さんでしたよね」 「ハイ」 「もうスグこの取材も終わりだから………」 「ハイ」 「そんな大層なもんじゃないけどプレゼントをあげましょう」 「?」 松井さんの眼がギラギラしてきた。 「ワタシね、この歳になって東京に来た理由があるんですよ」 「ハー」 私は空気の変化に緊張して来た。 「東京に来る前の最後の職場、鉄道関係のコールセンターなんですが」 「……」 「ワタシそこでヤラカシましてね、関西にいられなくなったんです。ワタシのカマってちゃんをきに要らない上司のパワハラが酷くてね」 「…」 「その上司の腹を職場で刺してしまいました」 「オオ…」 「その会社は外部に恥を晒したく無いと言う事から、ワタシの件は闇に葬られましたね」 「そのパワハラ上司は?」 「生きてますけど左遷らしいです。佐藤さん、ありがとう。時間ですよ」 終わり
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