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「ところで松井さん、今回の渋谷での銃撃事件について聞きたいのと、『オレの話を聞いてくれ』と云う事ですが、どういった事なのでしょうか?」 「総理大臣にモデルガンを向けた事ですか?」 「はい、松井さんは総理大臣に何か不満や要求があったのでしょうか?私は記者なので、松井さんがここで言った事は警察の証言には採用されませんので安心して下さい」 「記者さん、私ね関西に住んでた時ね伊丹に住んでたんですよ。空港のあるトコロね」 「へぇ伊丹ですか、ワタシも取材で阪急伊丹駅周辺に行った事ありますよ」 「阪急伊丹駅の駅前に郵便局あるんですが、アレね私が作ったんです」 「ホー、松井さんは建築関係は何かされていたのですか?建築事務所に勤務されてたとか」 「 30歳頃にですね、郵便局の改装がありましてね、そこの建築現場のアルバイトを半年程していたんですよ。外壁を塗装したり、鉄骨を組んだりしましたね」 「松井さんは、様々な仕事を経験してる様ですがどの様な経歴を辿って来られたのでしょう?記事に載せる骨子となるのでお聞かせ願いますか?」 松井さんは嬉しそうに話している。 「雑誌とかに載せて貰えるんですよね?嬉しいな、総理大臣に銃向けて良かった」 「はあ、大学とかはどちらでしょうか?」 「大阪南河内にあるK大学経済学部です。大学から鉄道ファンになりましてね、青春18切符で電車に乗って色々なトコロに行きましたね。それで列車や駅の写真を撮りましたね。その時にウォークマンで大瀧詠一の「『ロングバケーション』をテープが伸び伸びになるまで聴いていたんです。その中でも『恋するカレン』はお気に入りでしたね」 「先程、口ずさんでいたのは『恋するカレン』ですか?聴いた事があるなと思いましたよ。ところで大学では、左翼とか右翼とか宗教には入れ込んでいたんですか?」 「イイエー、右も左もおかしな宗教も嫌いでしてね。今でもそれは変わりませんよ。強いて言えばワタシは鉄道ファン教ですかね……………………記者さん凄いよね、総理大臣を襲った理由でしょ?言いますよ!政治的な信条も宗教的な物も外国からの指示も有りませんよ」 「ありがとうございます」
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