真夏の怪談

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「彼女がこの部屋にいることに恐怖を感じたそのとき、部屋の灯りが、ふっと消えたんです。 そして誰もいるはずのない部屋の中で、突然、背後から男の人の叫び声が……。 『お前の首を置いていけ!』 彼女がその言葉にゾッとして、慌てて振り返ろうとした次の瞬間、彼女の首は、古びた斧でバッサリと切り落とされ、お寺の床に転がり落ちたんです」 高校生の少女がそう言ったとき、部屋の中にいた参加者全員が悲鳴を上げ、 最後の怪談は終わりを告げた。 そして私たちは、最初に決めていたように部屋の中を照らしているろうそくの灯りをすべて消した。 最後のろうそくの灯りが消えると、部屋の中は暗闇に包まれ、急に誰の声もしなくなった。 部屋の中はしばらくの間、しんと静まりかえり、私はその静寂の中で得体のしれない不安に包まれていた。 部屋の中から人の気配が消えた。 部屋の中はやけに静かだ。 みんなは本当に、この部屋にいるの? もしかして、私は……。 不安にかられた私はスマホを取り出し、辺りを照らした。 すると、この部屋には、もう誰もいなくなっていて、きれいだったはずのお寺の一室は、くもの巣だらけの廃墟に姿を変えていた。
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