きつく抱きしめて

始まり

side真広

真広は困っていた。自身の内ポケットに入れておいたはずの生徒手帳が無くなっていたのだ。
(まずい…あの中には人に見られたくない物が挟まっているのに…どこにやったんだろう？）
ふと昨日の奏とぶつかった時のことを思い出していた。
「あの時、もしかしたら奏さんが拾った…？もしあれを奏さんが見ていたら………？
なんて言われるかわかったもんじゃない!」
急いで、生徒会長室に向かった。