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side奏
入学式は奏にとっては最高の時間だ。
自分の好みの子を探す絶好の機会だからだ。
周りからは完璧人間と言われているが、本性は自分の気に入った人や物はどんな手段を使ってでも手に入れたいドSだった。
(さーて、どんな子がいるかなぁ?俺好みの子がいるといいんだけど……。あれ?あの子可愛いなぁ~~。後で、名簿確認しとこっと!あ、目あった~!切れ長の目か~。いいねぇ、いじめたくなる。)
この時点では、奏はまだその目をつけた子が真広であるとは知る由もなかった。
自分の話の最中でも頭の中ではその子のことをずっと考えていた。
自分の話が終わり、椅子に腰を下ろした。
「 ……… 楽しくなりそ……。」
思わず、つぶやいてしまった言葉に少しびっくりしたが、あまり気にしなかった。
つぶやいた時の顔が満面の笑みだった事に本人は気づいていなかった。
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