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おまけ
マリア「わっ!!」
秀「わーーー!! マリア先輩! いきなり背後から大声出さないでくださいよ~。心臓に悪いじゃないですか」
マリア「だってお前、寂しそうな背中してたから」
秀「ちょっと考え事してただけですって」
マリア「もしかしてあずちゃんとなんかあった?」
秀「あずみとはなにもありません」
マリア「『あずみとはなにもありません。ラブラブですよ~』」
秀「なんで僕のマネするんですか。しかもそんな変顔で言ってないでしょ」
マリア「あずちゃんのことじゃなかったら、葛城の考え事ってなんだよ」
秀「考え事っていうか、時の流れを感じてたというか」
マリア「お前、なんかジジ臭い言い方するよな」
秀「いや、だって。もう2年ですよ、今日で」
マリア「なにが?」
秀「『きみと見つめる、はじまりの景色』が世の中に出てからですよ」
マリア「えー、もうそんなに経つ?」
秀「2018年4月28日ですから」
マリア「評判はどうなの」
秀「すこぶるいいですよ。マリア先輩」
マリア「え、わたし!?」
秀「僕とかあずみより、先輩のファンのほうが多いらしいです」
マリア「え!?、な、ホント、ん?」
秀「なにをそんなに動揺してるんですか。顔真っ赤ですよ」
マリア「バーカ! ど、動揺なんて。そもそもサブキャラのわたしがあずちゃんより人気じゃだめだろ」
秀「ですよね。騎月さんも戸惑ってましたよ。もともとマリア先輩の役って男子設定だったのに、むさくるしいからって途中で性別変更してエブリスタのコンテストに応募したら賞をいただいちゃって、出版までの間にどんどん出番増やしたら、出来上がりではあずみより目立っちゃってたって」
マリア「それは完全にアイツのミスじゃん」
秀「ミスっていうか、誤算というか、でも悔しいですけど、それだけマリア先輩が魅力的ってことですよ」
マリア「バーカ、お前、彼女でもない相手に軽々しく魅力的とか言うなよ。あずちゃん知ったら悲しむだろ」
秀「え、別にそんなつもりじゃ」
マリア「お前がどんなつもりでいようと発した言葉がすべてなんだよ」
秀「他人にバカバカ連発してるひとから言われたくない……」
マリア「なんか言ったか」
秀「いえ、なにも」
マリア「『弓道で五人立ちのはずなのに、最後のひとりがいない』とかけて、『お前とわたしのやり取り』と解く。その心は?」
秀「なんでいきなりなぞかけ!?」
マリア「早く答えろよ」
秀「そんな、急に言われても」
マリア「サン」
秀「えー、んー」
マリア「ニー。あずちゃん萌えー」
秀「考えてますから変なワード挟まないで!」
マリア「イッチ、」
秀「あー、わかんないです!」
マリア「ゼロ。時間切れ―、ヘタレー。正解は、
『オチがない』」
特別掌編
『放課後の先輩』
おわり
(2020年4月28日)
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