EP01:朝陽の場合

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コーヒーが落ちる音とともに煙草に火をつける。 女なんだから煙草やめなよと言われるが、辞める気なんて さらさら無い。 キスの時、嫌われるよと言い放つ女なんて、好きにしたらいいんだ。 他の女と同じようにされたくない。だから。 このままでいい。 そんな事を考えながら朝食もお弁当も出来上がる。 あとは身支度したら出勤だ。 でも、用意してる間もカレから連絡は来ない。 こんなに朝陽が待ってるなんて知らないわけだが、一言、 おはよう それだけでも欲しい。 待ってるんだよ、アタシは。 来ない連絡にイジイジして、ガッカリして、モヤモヤして。 人の奥さんになってから初めてかもしれない。 そりゃ、独身貴族の時は独身だからこそ出来た。 でも、今は【人妻】と呼ばれる種族。 それが良くてなったはずだけど、出会いなんてわからないもんだ。 彼が一番なのは変わらない、でも、ときめく気持ちは止められない。
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