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ここからの行動は佳也子自身も驚くほど早かった。
「あなたが好きなの」
「えっ? でも、旦那さんいますよね?」
「旦那じゃなくて、あなたに恋してるの。ダメ?」
「ダメかと聞かれても…俺にも彼女がいますし、結婚する予定だから」
告白された男は佳也子を拒んだ。だけど、恋する女は何歳であろうと無敵なのかもしれない。
佳也子は簡単に諦めることをしなかった。どうしても彼との時間が欲しかったからだ。
男が婚約中で半年後に結婚する予定になっているのは承知していた。
「私のこと嫌い? やっぱりこんなおばさんじゃ…魅力なんてないわよね。でも、好きなの…」
佳也子は潤んだ瞳で男を見つめた。
こんな瞳で見つめられては頑なに拒めない。
「嫌いじゃないです。魅力だってありますよ。俺だって、あなたのことをいいなと思っていたし」
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