愛すること

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愛すること

弘和は佳也子の浮気に1度だけ、気付いて問いつめた。 「昨日、男とホテルから出てくる佳也子を見たんだけど、ホテルで何していたんだ? お前、もしかして浮気してる?」 夫が平日に行くとこのない土地にあるホテルを選んでいた佳也子は失敗したと思った。 だけど、悪いとは思っていない。罪悪感がないから他の男に何度も抱かれていた。 「ごめんなさい」 「認めるんだ? 男と別れるか俺と別れるか選べよ」 「ごめんなさい! あなたとは別れません。あの人とは別れるというか、1度だけの約束だったのでもう2度と会いません。私はあなたを誰よりも愛してるの」 許しを乞うために涙を流して弘和に抱きつく。弘和を絶対に失いたくない。 1度だけというのは嘘だけど、弘和を愛する気持ちに偽りはなかった。 あの人と別れよう。そして、また恋をしよう。
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