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何も言ってこない、和樹を、窺うと・・・。
ぎゅっと、こぶしを握り。
苦い表情をしている。
「佳代と。
佳代と、別れたんだよな?。」
はい?。
何で今、それ聞く?。
「お前まで、それ言うか。」
しょげる俺、とは対照的に。
和樹は、一転。
嬉しそうに、笑う。
人の不幸を、何で、笑う?。
むかつく。
「おーい。
まだかーっ。」
階下から、先生の声がした。
「行くぞっ。」
和樹は、俺の腰に手をあてて、促す。
いや、エスコートされなくても、さ。
2人のいる場所は、分かるんだけど。
でも。
見上げた和樹の顔は、何か、自信なさげな。
いや。
緊張してる、顔?。
こんな顔を見たら、手を払えない。
俺は、そのまま。
腰に、和樹の感触を感じたまま、歩きだした。
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