彼女

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「今は、違うだろっ。」 それって。 つまり、認めたって、ことでは。 「まあな。 そういえば。 ここ1年近く、彼女、いないよな・・・。」 先生は、そう言うと。 ビールを、一気に、飲み干した。 「選挙にでるって、決めて。 川瀬に、また、会うかもって。 そんな話に、なったくらいから、か。」 「お前は、ペラペラと、余計なことを。」 徹さんが、呆れたように、注意する。 隣りを、伺うと・・・。 和樹は、先生を、睨み付けながら、ビールを飲んでいる。 「お前だって。 女ぐせ、悪かったじゃないか。」 「結婚するまで、は、だろ。 俺は、浮気なんて、してないぞ。 これからだって。」 「よく、おモテになるようで。 この間だって・・・。」 急に、おろおろした先生は。 徹さんへの、釈明に、追われている。 助ける気にも、ならん。 「今は、違うからな。 彼女、いないし。」 一方の、和樹は。 なぜか、俺へ、説明を始めた。 「あのころは・・・。 どうしたらいいか、分からなかったんだ。 今は、分かるから。」 じっと、俺を見つめる。 何と、返事をしたらいいのか。 女経験の少ない、俺は、分からんっ。 「川瀬っ。 お前の持ってきてくれた、ワインも開けるか。」 相変わらず、徹さんの、表情は暗い。 先生は、必死な目で、俺に助けを求めている。 「そう、ですね。」 助かった。 和樹の視線に、耐えられなくなった、俺は。 その船に乗った。 結局、この謎の会は、辺りが暗くなるまで、続いた。
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