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徐々に。
持ち物や、服装が、変わっていった。
新しい、男のために。
どんどん、変わっていった。
そんなことに。
俺は、気がつかなかった。
「あいつと、別れたのか。」
俺たちを知る友人に、そう聞かれた。
佳代が、違う男と、道玄坂を歩いていたと。
つまり、そういうこと。
問い詰めた俺に、
「私のこと、何だと思ってるの。」
佳代が言った、最後の言葉。
男ができたことにさえ、気がつかなかった。
佳代だけが、悪いわけじゃ、ない。
それから、彼女を作るのが、怖くなった。
付き合うことに、興味がもてない自分は、おかしいんじゃないか。
そう、考えていた。
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