日曜日

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日曜日

早い。 早すぎる。 待ち合わせは。 よく行く、という、通り沿いの店。 時間は、11時。 確か、そう約束したはず。 で。 今は、10時45分。 早く、着きすぎたか?。 そう、思ってたのに。 通りを見えるように、設置されたカウンター。 そこに座る、若い男。 ガラス越し、だけど。 真剣に、本を読んでいるのが分かる。 伏せられていても、よく分かる、端整な顔立ち。 こりゃあ、女は、ほっとかないだろう。 ちくしょー。 何なんだ、この差は。 俺は、気持ちを切り替え、レジで、モカを注文した。 「和樹。 待たせたか。」 紙コップを片手に、声をかける。 和樹の肩が、びくっと震えた。 おや?。 気づいてなかった、とか。 顔とか、スタイルとか、身長とか・・・。 何かと、人に、敗北感を感じさせる、和樹の、素の仕草は。 見てて、ほっこりする。 可愛いい、というか、何というか。 和樹と、3年ぶりに再会したのは、昨日。 今日は、昼飯を、ごちそうすることに、なっていた。 何を食いたいのか。 若者の好みは、検討がつかない。 肉、とか、かなあ。 給料日のあとで、よかった・・・。 白のニットに、黒のスキニー。 シンプルな格好でありながら。 チープさを感じさせない、服装。 和樹によく、似合っている。 きっとこいつは。 人に、見られることに、慣れてるんだろう。 大学でも、もてるんだろうな。 それに引き換え。 俺は、さ・・・。 一応、黒のテーラードジャケットを、羽織ってみたけど。 何だが、微妙。 渋さが、でてない。 子どもっぽい、というか。 一応、スーツは、似合ってると、思うんだけど。 秘書、様として。 ボーナスがでるまでは、買い物は控えよう。 そう思っていたけど、考え直そう、かな。 「早かったな。」 単行本をしまいながら。 和樹が、隣りに座るよう、促す。 「なあ。 普通さ。 スマホして、待ってないか。」 店の中、ほとんどが、スマホを操作している。 俺は、さっきから感じていた、違和感を告げた。 本を読んで、待ってるって。 今どき、いないぞ・・・。
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