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誘因
「か、わ、せっ。」
「野村っ。」
いつもの、待ち合わせ場所。
通りに面した店で、俺は、同期の野村に、声をかけられた。
話の腰を折られた和樹は・・。
不機嫌そうに、アイスコーヒーを、飲んでいる。
「今度の金曜日の同期会。
忘れないでよ。
社長秘書が来るって。
真理とか、はりきってるんだから。」
「まじかっ。」
「同期、1番のエリートだからね。
じゃあ、忘れないでよ。」
そう言うと。
野村は、和樹の方をちらっと見てから、店を出ていった。
「真理って、誰だよ。」
低い声で、和樹は、そう聞いた。
「ん?。
同期。」
「狙われてんじゃないのか。」
まさか。
「そうなの、かな。」
そう聞いた俺に、何も答えず。
ずっ、ずっ。
和樹のストローが、鈍い音をたてていた。
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