俺の男

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俺の男

ぎしっ。 2人の重みで、ベットがきしむ音がする。 佳代の時よりも、大きな音で。 「どうした。」 そんなことを、考えていた、俺を。 和樹が、上から見つめている。 「何でもない。」 和樹の首に、両腕をまわして、そう答えた。 優しい、口づけを、交わした後。 和樹が。 俺のズボンに、手をかけた。 協力するように、軽く腰をあげる。 「いい子だ。」 「ばかにするな。」 どきどきする、気持ちを、隠すように。 俺は、悪態をつく。 「ほら、もうちょっと。」 かさり。 トランクスごと、抜き取られた、俺のズボンが。 床に落ちる音がした。 俺の体を、はさみこむように。 膝立ちのまま、和樹が、自分のズボンを脱いでいく。 俺は、和樹の、鍛えられた体を。 しっかりと、見上げる。 男、という嫌悪感はない 和樹、だから。 和樹が愛おしから。 俺の。 この、貧相な体を、見られるのは、恥ずかしい。 でも。 和樹が、求めてくれるのが、分かるから。 その想いで、和樹をみつめる。 和樹は。 俺を、じっと、みつめながら。 ズポンを、放り投げた。 肌をなでる、ざらざらとした手。 相手が、男であることを、実感する。 それでも・・・。 俺は。 その手をとり、甲にくちづけた。 「っ。」 和樹は。 音にならない声を、呟くと。 俺の、両膝を抱え。 ゆっくりと、貫いていく。 とてつもない痛みで。 上げそうになる悲鳴を、ぎゅっとこらえる。 「大丈夫か?。」 そう聞く、和樹も。 とても、辛そうで。 首に腕を回して、引き寄せると。 そっと、俺の男にくちづけた。
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