執務室

2/2
前へ
/46ページ
次へ
でも、確か。 あの家の庭には、登りやすそうな、木があったような・・・。 そんなことを、考えながら。 久しぶりに、先生を含め、皆と会えるのが、楽しみで。 俺は、早々と出席の連絡をしていた。 でも、金曜日の1件で。 俺は、開催当日。 出席できない旨を、連絡した。 「いやー。 残念、だったな。」 先生はそう言うと。 あの、俺たちが恐れていた、表情。 そう。 何か企んでいるような、笑顔を浮かべて。 こっちを、見ている。 やばい。 この顔は、まじで、やばい。 俺の頭の中で、逃げろ、と声が響く。 危険と、サイレンが、鳴っている。 「先月、川瀬と、佳代ちゃんと別れたっていう話題で、さ。 すごい、盛り上がったのに。」 そこー?。 「はあ。」 俺は、力なく、相づちを、うった。 何なんだ。 この人は。 この、無神経さ。 4年前と、まったく、変わってない、じゃないか。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加