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「お誕生日だから、おっきいマフラーを編んだんだよ! 今はまだ背がちっちゃいけど、キリンさんみたいに背が伸びて大人になったらだいじょーぶ!」
あのとき、ありがとうの五文字さえあれば。
「高校生になったら、その時は一緒にマフラーを巻こうよ!それで……それで……一緒に動物園に……」
あのとき、ありがとうの五文字が
「自慢のカップルになって……それで……一緒にウサギさんを抱っこして……ペンギンさんとシロクマさんを見て……」
あのとき
「動物さんたちにマフラーを巻いてあげて……それから……」
たったの五文字があれば
「マフラーなんていらない! お姉ちゃんなんて大っ嫌いだ!」
だいきらいなんて言わなければ
姉さん、ぼくが大人になってもマフラーはまだ余っています。背がちっちゃいぼくには少し長いけど、でも、それでいいんだ。
ある人を、もう一度お姉さんにしてあげられたから。
僕ももう一度、弟になれたから。
あったかいマフラーをありがとう。
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