特別な水曜日に。

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「あのぉー?」  言葉に詰まっていると、紀香が口を開いた。火に油を注ぎかねない……そんな口調だった。  でも、俺は……紀香のそんなところが好きだ。  マイペースで、自分の世界観を積極的に出していくようなそんなところが……  だが、いまは置いとこう。  とりあえず、紀香とは仲のいい女友達ということで話を進めていけば、まだ道は…… 「私たち、デート中なんですけど!」  道は閉ざされた。  紀香よ……なぜそれを言ってしまった…… 「は……?」 「私たち、お家デートしてるんですー!」  紀香、なぜ復唱した。 「あなた、だれですかぁ?? これからきょうちゃんと一緒に映画見るところだったのに……きょうちゃん、私のために恋愛ものの映画用意してくれてんだよ? ねぇー、きょうちゃん?」  美咲は、もう爆発寸前という感じだった。
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