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まさか美咲に後ろ蹴りされるとは……
鼻を押さえていたティッシュを静かに外す。痛みはあるが、血は止まったらしい。
俺は、部屋の外を出て、住宅街を小走りしていた。なんでも、紀香にいい考えがあるというので……
正直、嫌な予感もした。だが、紀香は天然に見えて頭がいいところもあった。
俺には、あの状況を好転させるようなアイディアもなかったし、もし何か考えがあるなら縋りたかった。
それに……
「きょうちゃん! 私に任せて!」
あの笑顔には逆らえない。俺は、紀香の言葉を信じた。
しばらく部屋を出てほしいとのことだったので、近くのコンビニで時間を潰していたのだが、先ほど紀香から連絡が入り、俺は家路を急いでいた。
どうか何も起こっていませんように……
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