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五家恩学院の校則
ここは五家恩学院。
晴れてこの春、二瀬凛はここに入学することとなった。柔らかな日差しと、かすかな風にそよぐ桜が彼女の入学を祝福していた。これからどんな波乱が待ち受けているかも知らずに。
真新しい制服に身を包み、緊張の面持ちで入学式に参加した。その足ですぐ各教室に分かれてホームルームとなった。式とホームルームの間に十分ほどの休憩があったが、その間は早くも隣近所のクラスメイト達が親交を深め始めていた。女子達のもっぱらの話のタネは先ほどの式で在校生代表の祝辞を述べていた生徒会長についてだった。
「かっこよかったよね!凛とした雰囲気と、意志の強そうな澄んだ声がたまらないよねぇ!」
「う、うん。そうだね」
凛にも早速友人ができた。前の席で鼻息荒く語っている谷田部菜穂(やたべなほ)だ。
「ここにはね、この学院創設に貢献した五家の御曹司達がいるんだよ~。しかもみんなイケメン!ああ、早く会いたいなぁ」
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