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「その……」
言い淀んでいる神様に私は首を傾げた。
「機嫌が悪いときは、料理を作ってくれ……そうすれば、すぐ機嫌なおるから」
思わず笑みがこぼれた。
「何それ、小学生じゃん」
「……唐揚げが一番好きだから」
「知ってる」
「文句ばっか言うけど……君のこと大好きだから。それだけは覚えといてくれ」
「はい、はい! 分かった、分かった! じゃあ行ってきます!」
私は神様に手を振って、田中くんの元に走っていった。
しばらくして、もう一回振り返ってみたが、
そこには誰もいなかった。
神様……
空を見上げた。
たぶん、今頃にやにやして見てるんだろうな……
そんなことを考えたら、可笑しくて笑えてきた。
「あの……高橋……」
田中くんは口を開いた。
私は、いまから愛の言葉を聞く。
一生忘れない。
神様に誓って。
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