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私はイヤホンを外した。
「何ですか……?」
「えっと……」
おじさんは、躊躇うような素振りを見せつつも、言葉を続けた。
「……高橋理沙さん?」
いきなり自分の名前を言われて驚いた。
誰……?
この人……?
「そう……ですけど……?」
「へぇ……これ夢なんかな?」
おじさんは不思議そうに辺りを見回す。
「えっと……現実だと思いますけど……?」
とりあえず答えてみた。
「そうか……現実だったら嬉しいな」
おじさんは微笑んでいた。
でも、なぜか泣きそうだった。
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