もう一度、木曜日へ。

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「なるほど……」 おじさんは、私の持っている英語のテキストを見つめて呟いた。私は慌ててそれを後ろに隠した。 「今日は、木曜日か……」 「そうですよ……?」 「明日が中間テスト最終日」 「そうですけど……それが何ですか?」 「そこから殆ど出ないよ」 「……へ?」 ここから出ないの……? 私は、テキストをまじまじと見つめた。 「あぁ、それから……」 おじさんは、声を潜めた。 「いま、好きな人いるでしょ?」 ふいを突かれた私は、顔から火が出た。 「なっ、何なんですか!? 会っていきなり……てか……あなた、誰ですか!?」 「俺は……そうだな……」 おじさんは、少し考えてから名乗った。 「俺は、神様みたいなもんかな」
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