もう一度、木曜日へ。

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「まず、彼は全く家事を手伝わない。家のことはすべて君任せだ」 「はぁ……そうですか……」 「そのくせ、文句を言ってくる。料理の味が薄いだの、掃除がいつも雑だの……」 「はぁ……」 「毎日そういうつまらないことで、君と口喧嘩するようになる。あと、自分からは絶対折れない」 「ふーん……」 私は次の神様の言葉を待った。 しかし、神様は参ったかと言わんばかりに私を見つめている。 「えっと……それから?」 「えっ、それから……?」 えっ、逆にそれだけですか……? 神様は、腕組みして考えた。 しばらくすると、何か思い浮かんだように、神様は顔をぱっと明るくした。そして、大真面目に言った。 「それから! 『ありがとう』って自分から言えない……!」 それを聞いて、私はキョトンとした。 それから、思わず笑ってしまった。 そんな私を見た神様は、もっとキョトンとしているようだった。
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