⑦本気の恋

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「良太は知らなかっただろうけど、オレ、一年の初めの頃、一人の生徒からひどい嫌がらせを受けててさ」 「友!」  剣上が話をやめさせようとした。 「もう大丈夫だから。オレは。先生」  優しい恋人へ、友一は穏やかに微笑んで見せてから、話を続けた。 「いっときは死のうとまで思い詰めた。……けど、そんなオレを支えてくれたのが、先生だったんだよ……」  友一の話を聞いて、良太はかなり狼狽えたようだ。 「うそだろ? おまえが嫌がらせを受けてたなんて。誰にだよ?」 「……そこまで言う必要はないと思うけど。とにかくオレは先生に救われて、それからあっという間に恋に落ちて、先生が好きでたまらなくて……誘惑したんだ」 「友、もうそれくらいにしておけ」  剣上が友一の肩を優しく撫でる。 「うん」  彼に微笑みで応えてから、友一は良太を見た。
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