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「実はさ、もう一つプレゼントがあるんだよ」
たっぷりと口づけを堪能してから、剣上がいたずらっぽく微笑んだ。
「え?」
口づけであがってしまった息を整えつつ、友一が首を傾げると、剣上はソファから立ち上がり、ベッドの傍にある作り付けのクローゼットまで歩いていく。
中からクリスマス用のラッピングがほどこされた大きなものを出し、それを抱えて、ソファへ戻ってきた。
「はい」
剣上はそう言って、友一にそれを手渡す。
「開けてもいい? 先生」
「どうぞ、王子様」
ラッピングの紙を破かないように丁寧に解いていくと、中から出てきたのは、友一が好きなキャラクターの大きな抱き枕だった。
「先生、これ……」
「こっちのほうが買うとき、恥ずかしかったな。注目の的になったよ」
優しく微笑む剣上に、友一の大きな瞳に涙が浮かぶ。
うれしくて。
「で、でもいったいどうやって部屋へ持ち込んだの? ホテルに入るときは持ってなかったよね?」
涙声で問いかける。
「宅配便の着日指定で先に送っておいたんだよ。……オレがいないときは、そいつをオレだと思って抱きついてろ」
剣上の言葉に、友一は泣きながら笑った。
「そんなの無理だよ。先生とは全然違うじゃんー。でもすごくうれしい。うんと大切にする」
「大切にするのはいいけど、オレの次にな」
剣上は友一の額へ優しいキスも贈ってくれた。
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