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 画面に映し出され、種々雑多な罵詈雑言に晒されているアランよりも、一際険しい表情で、ミニムスはその答弁に見入っていた。その表情には、はっきりとした憎悪が見て取れた。  ミニムスとテレビの画面を交互に見ていると、入口の方でベルが鳴った。客が来たらしい。メディウスはビールを頼んだ客と、なにやら楽しそうに話し込んでいる。ミニムスは、新たな客に気づいていなかった。 「いらっしゃいませ」  アーヌラーリウスは慣れない笑みを作り、客に応じた。その客は真っ直ぐにカウンターにやってきて、彼をちらりと見た。 「オムライスを一つ」 「はい。かしこまりました」  アーヌラーリウスは短く返事をし、奥にいるはずのポレックスに振り返った。その瞬間、アーヌラーリウスは口から出かけた彼の名を飲み込んでしまった。  怒気を孕んだポレックスの視線は、ミニムスと同じく、アランを見ていたからだ。  懸命に弁明を並べ立てるアランの姿に苛立っているというよりも、こちらも何か根深い恨みでもあるかのような表情だ。 「……ポレックス」  アーヌラーリウスの静かな呼びかけに、ポレックスは僅かに反応を示した。そして、アーヌラーリウスの背中越しに立つ、若い女の客を見て、瞬時に表情を和らげた。彼はぎこちなく、アーヌラーリウスに向かって首を傾げた。 「オムライスを、一つ」 「わかった」     
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