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次の瞬間、強烈な閃光が辺りを襲い、目が眩む。
ようやく目が慣れた時には、モンモンの姿はなく、大きく空いた天井と、荒れ果てた部屋が飛び込んできた。
『モンモン、は?』
部屋の惨状よりも、真っ先にモンモンの心配をするマリク。
魔力の痕跡を探っていたカミラクは、『ふぅ』と息をついた。
「すでに、他の世界に飛んだらしい」
「なんで、急に?」
突然の別れに泣きそうになるマリク。
転がる石ころの一つを手に取ったカミラクは、それをマリクの手に握らせた。
「原因は、おそらくこれだろう」
続いて顔を上げるカミラク。
続いて見上げると、そこにはポッカリと空いた天井。
「外からの攻撃、よね?」
気配なんてなかった。
そして、カミラクの結界すら破る攻撃。そんな事、一体誰が?
「おそらく、隕石。
自然災害を防ぐ結界は張ってなかったから、すり抜けてきたんだ」
「じゃあ、モンモンは隕石から俺達を守るために?」
マリクの問いに、ゆっくり首を振るカミラク。
「それは分からない。
そうかもしれないし、たまたまタイミングがあっただけかもしれない。
ただ、その結果、この石ころが戦利品として、文字通り転がりこんできたわけだ」
マリクの手元に集まる視線。
黒く、ゴツゴツしたそれは、マリクの手にすっぽりとおさまっている。
ーーコンドライド
違う星からやってきた来訪者。
「宝石としての価値は全くないが、持っていれば、モンモンと繋がっていられるかもしれないぞ?」
クスリと笑うカミラクに、うっすらと目を潤わせたマリクは、しっかりとコンドライドを握りしめた。
異世界の力を持つというコンドライド。
その大いなる力を取り込み、彼は、一歩ずつ成長していくのかな?
「モンモン、また"会おうな"ー!」
……泣きながら、空に向かって叫ぶマリクをみると、それはまだ先のような気がした。
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