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「さ、温かい内に食べちゃいましょ」 早々に席につき、スープを啜るセリパ。 モンモンにかかりっきりで、私自身お腹が空いていたのは事実なので、私もご相伴に預かる。 一匙掬って、ふーふーと息を吹き掛け口に含む。 すると、カボチャ特有の甘味が口いっぱいに広がり、全身が温かくなっていく。 そういえば、どこかの国では、冬にカボチャを食べて健康を祈る風習があるらしい。 どこの国かは覚えていないが、栄養価が高く、その上、保存の効くカボチャは、冬場の強い味方なのは間違いない。 「うん、美味いな」 優雅な仕草で食するカミラク。 これで、三人が席についたことになり、残るは一人。 モンモンとスープを見比べ、戸惑った表情をするも、お腹の虫が盛大に鳴ったのに観念し、マリクもスープを啜りはじめる。 「美味い!けど……」 自分はともかく、マリクの心にあるのはモンモンの事だろう。 しかし、ここで大きな変化が表れた。 『モン、モンモン!』 ぐったりしていたモンモンが、結界の外を食い入るように見つめる。 その視線の先には、カボチャのスープ。 (まさか、これがコイツの食べ物?)
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