scene.4

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 本格的に梅雨入りしてきた6月末。  窓の外には、重い雲が広がっている。  昨日から降り始めた雨は、今日も終日止みそうにない。  美亜との付き合いは、気付いたら三ヶ月を越えていた。  その付き合いの中で、美亜のイメージは当初とは変わっていた。  会社で貼り付けた愛想笑い以外の笑顔を見たことがなかったし、 世間話しているとこも見掛けないから無口だと思っていたけど、意外と喋る。  たまに抜けたようなこと言ったり、ちょっとひねくれたような考え方も少しツボだったりする。  今まで周りにいた女の子たちは、可愛いを全面的に出した“まさに女の子”っていう子が多かったからか、余計に新鮮に感じる。
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