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先輩の愚痴に付き合わされて、家に着いたのは22時過ぎ。
帰る間際に捕まえられ、取引先からはじまり、上司、部下、ついには家族のこと。
喫茶店で延々と続けられた愚痴に、解放された時には言い様のない疲れが体を支配していた。
静まり返ったエントランス、蓄積された苛立ちを消化出来ていないまま、郵便受けに手を伸ばす。
中には、ダイレクトメールに紛れて、一枚の白い封筒が入っていた。
ざらっとした手触りの分厚い封筒。
見なくてもわかるのに反射的に裏返すと、並ぶ見慣れた二人の名前。
前もって聞いていたし、準備は出来ていた。
それでも、端を持つ手には力が入った。
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