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先に寝室に入り服を着替え、リビングに戻ってテレビを点けた時、携帯が鳴った。
それは美亜からで、初めて美亜からかかってきた電話に少し胸が浮き立つ。
『……陽?』
美亜は遠慮がちにも思える声で言う。
「お疲れ」
『急にごめん。今、大丈夫?』
「うん、どうかした?」
ビールを取りにキッチンに向かう。
『ちょっと聞きたいことあって』
「なに?」
『えっと……片岡さんのことなんだけど。陽と片岡さんって、同じ高校だったの?』
プルタブを引こうとして、その指が止まる。
「片岡って、片岡健太?」
『うん』
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