scene.4

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 広くないバスルームに湯気が籠もる。  白く曇った鏡にシャワーを掛けた。  玉になった滴(しずく)が、鏡を滑り落ちていく。  幾筋も出来たその隙間に、濡れすぼった自分の姿が映った。 ――招待状、出来たら送るから。  夕方掛かってきた広斗からの電話。  円香さんが自作したらしい、結婚式の招待状。  離れて住んでいるからか、ただ見せたいからか。  どっちかは知らないけど。 「わざわざいらねーっつーの……」  蛇口を強く捻(ひね)る。  無音の空間に、それが甲高く響いた。 
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