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言いにくそうにおずおずと言われた名前は、同じ部だし出てきても不思議じゃない。
それでも、無意識にしてしまっていた期待のせいで、浮き立った気持ちは簡単に落ちる。
てか、なんで健太? 仲良かったっけ?
「うん、そうだけど。高校ん時のサッカー部の後輩。
言ったことなかったっけ?」
『うん、聞いてない』
「そうだっけ?
で、それがどうかした?」
『別に……なんでもない。詩穂から聞いたから、聞いてみただけ』
「ふーん。用って、それだけ?」
美亜は短く「うん」とだけ返事をすると、黙り込む。
脳裏にちらつく招待状。
健太の顔。
置いたビールの缶が、思ったよりも大きな音を立てた。
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