scene.4

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“避けられている”。  薄々わかってはいたけど。 「……決定的だよな」 「なにが?」 「なんでもない。ごめん」  端が焦げ始めた肉を木本の皿に入れる。  火を弱めようとテーブルの横を覗き込むと、木本が追い掛けるように言葉を投げてきた。 「陽ちゃん、さっきからどしたー?」 「その呼び方キモい」 「まーそー言わず。お兄さんに言ってみ?」  椅子に座り直し深くもたれた俺に、ほれほれ、と木本が言う。  こんな情けないこと言える訳ないっつーの。  盛って嫌われました、なんて。  それが原因じゃないかもしれないけど。
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