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「あれ? まだ起きてたの?」
タオルで髪を拭きながら寝室に戻ると、美亜は布団にくるまったまま膝を抱え込んでいた。
……そんな顔して。
何を考えていたのか、淋しそうにも見える目を向けてくる美亜。
彼女の髪を耳に掛けて、短いキスを落とす。
「……わたしも入ってくる」
俺の視線から逃れるように顔を背けた美亜は、ベッドの下の白いワンピースに手を伸ばす。
それを先に取って、彼女の顔を覗き込んだ。
絡んだ視線はすぐに逸らされて、
「だったら、一緒に入れば良かったのに」
「一緒になんか、入る訳ないでしょ」
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