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「美亜、久しぶりだね?」
「……うん。そう、だね」
美亜は顔を伏せてしまう。
隠れた髪の下、迷惑そうな顔しているのかもしれない。
「こ、こんなとこでどうしたの? 陽が来るの珍しいね?」
「……うん。まだ帰ってないっぽかったから、ここかな、って思って。
美亜を、探してた」
「そうなんだ? 何か用でも、あった?」
「用って訳じゃないんだけど、会いたかったから」
その時、美亜の手からファイルが落ちて背表紙が床に当たり、カンと甲高い音が鳴る。
一度バウンドしたそれは、辺りに紙を撒き散らした。
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