scene.4

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「あっ、ごめ……」  しゃがんだ美亜の隣に屈む。  散らばった紙を集めながら蘇る、だいぶ前の日のこと。 ――えっ、な、なんでいるんですかっ!?  その日のことを思い出して、強張っていた頬が自然と緩む。  緊張していた。  話し掛けて迷惑そうな顔されたら。  面と向かって拒否の言葉を言われたら。  今日直接話そうと決めてから、ずっとそんなことばかり考えていた。    「大分前にもこんな事あったよね? あの時は、もっと盛大だったけど」 「……うん。そうだね」 「あれはすっげー驚いた。誰もいないはずなのに、急にでっかい物音がするんだもん。 美亜って、案外悪趣味だよねー」 「ちょっ、違……っ。 勝手に始めたのはそっちでしょ!? 出て行きたくても出れなかったんだも……」
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