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バカじゃないの? とでも言いたげな声で言った美亜が、俺からワンピースを奪い取ろうと手を伸ばす。
その手を引っ張って、抱き寄せた。
塞いだ口の中、逃げるように奥に引っ込もうとする舌を追い掛けて、絡め取る。
逃げ気味の細い腰を自分へともっと引き寄せ、後頭部を押さえ込む。
奥で疼き始める熱と、僅かな隙間から漏れ出る声に、落ち着いたはずの欲情がまた浮き上がる。
美亜と見ていると、たまに思う。
もしかして、美亜って……って。
だって、こうしてるってことは、多少なりにも好意があるってことだろ?
少なくとも、嫌いな男に、二度も三度も体を許すはずがない。
だから、たまに試すようなことを言ってみる。
直接的には言わない。
逃げられたくないから。
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