scene.4

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「そんな顔して、……誘ってる?」  言うやいなや、手で額を押しのけられた。  ワンピースを頭から被った美亜が、冷めた目を向けてくる。 「バッカじゃないの? さっさと寝ろ、バーカ」  同じく冷めた声で吐き捨てるように言われて、笑いが出た。  してる時可愛い美亜は、離れた途端、こうなる。  ツンデレのデレなしバージョン。  ツンオンリー。ただのツン。  この関係になるまで知らなかったけど、結構毒舌。  ていうか、意外と口悪い。  なんかバカバカよく言われるし。  でも、もう一度。  もう一度、試してみる。 「ほんっとに美亜ちゃんは素直じゃないねぇ」  これが彼女の“素直”な姿じゃないことを願って。
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