scene.4

6/37

158人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「……素直な子がいいんだったら、そんな子探せば?」  ドアの前で振り返った美亜。  呆れたような顔で言われて、また笑ってしまった。  つまらないことを考えている自分に。  だよな。  やっぱそうだよな。  特に“これ”っていう、期待していた答えはなかったんだけど。  だけど、もうちょっと違うなにかを期待してた。  こうやって試して、試す度に、やっぱり美亜は俺を好きじゃない、っていう答えに辿り着く。  変わってない距離を実感する。  でもさ、たまに思うんだ。  もし美亜が俺を好きだったら、って。  もし好きになってくれたら、何か変わるんじゃないか、って。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加