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「……素直な子がいいんだったら、そんな子探せば?」
ドアの前で振り返った美亜。
呆れたような顔で言われて、また笑ってしまった。
つまらないことを考えている自分に。
だよな。
やっぱそうだよな。
特に“これ”っていう、期待していた答えはなかったんだけど。
だけど、もうちょっと違うなにかを期待してた。
こうやって試して、試す度に、やっぱり美亜は俺を好きじゃない、っていう答えに辿り着く。
変わってない距離を実感する。
でもさ、たまに思うんだ。
もし美亜が俺を好きだったら、って。
もし好きになってくれたら、何か変わるんじゃないか、って。
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