scene.5

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「陽斗君ご馳走さまです。いつもすみません」 「いーえー」 「今度、会社の近くに出来た焼き肉行きません? 次、俺出すんで」 「おー」  外に出た瞬間、じっとりとした空気が全身に纏わりつく。  不快感に眉をひそめた。 「暑いな」  少し歩くだけで、汗が吹き出す。  街灯の明かりで前に伸びた細い影を、見つめながら家路を辿る。 「陽斗君」  別れる交差点。  健太が足を止めた。 「なに?」 「いいんですよね?」  健太を見やれば、街灯に照らされた目に、挑戦的にも見える色が浮かんでいた。
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