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もしかしたら、二人でいるところを見掛けたのかもしれない。
会社近くの店に行ったりはしてないけど、特別警戒して会っていた訳ではないから。
踏み出した足に、小石が当たる。
それは少しだけ進んで、すぐに止まった。
お似合いだと思う。
楽しそうに話し掛ける健太と、少し困ったような顔で受け答えする美亜。
何度か見掛けた二人並んでいる姿は、違和感なく馴染んでいた。
人の気持ちに聡い健太なら、きっと美亜の理解者になるんだろうな、とも。
俺には、美亜の考えていることがわからないから。
もう何ヵ月も一緒にいるのに、好きな奴がいるのかどうかも、
俺のことをどう思ってこうやって関係を続けているのかさえも。
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