scene.5

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 もしかしたら、二人でいるところを見掛けたのかもしれない。  会社近くの店に行ったりはしてないけど、特別警戒して会っていた訳ではないから。  踏み出した足に、小石が当たる。  それは少しだけ進んで、すぐに止まった。  お似合いだと思う。  楽しそうに話し掛ける健太と、少し困ったような顔で受け答えする美亜。  何度か見掛けた二人並んでいる姿は、違和感なく馴染んでいた。  人の気持ちに聡い健太なら、きっと美亜の理解者になるんだろうな、とも。  俺には、美亜の考えていることがわからないから。  もう何ヵ月も一緒にいるのに、好きな奴がいるのかどうかも、 俺のことをどう思ってこうやって関係を続けているのかさえも。
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