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あの資料室の日以来、美亜はまた前のように戻っていた。
メールは返ってくるし、食事にも行った。
避けるような行動を取っていたのは、ただの気まぐれだったのか、何か理由があったのか。
聞くチャンスはあったのに、どうしても聞けなかった。
理由を聞いたら、また離れていってしまいそうな気がしたから。
「あつ……」
こめかみを汗が一筋流れた。
空を仰げば、今にも雨が降り出しそうに、濁った灰色の雲が広がっていた。
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