scene.5

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 21時過ぎ。  外回りから戻り、無人のエレベーターに乗り込んだ。  閉のボタンを押そうとし、向こうから聞こえてくる足音に開のボタンに変えた。 「すみません! ありがとうございます」  息を弾ませ中に入ってきたのは、健太だった。 「あ、陽斗君お疲れです」  健太がくしゃりと人懐っこい笑顔を向ける。 「お疲れ」 「今日も暑いですねー」 「だな」  微かな音を立てエレベーターが上昇する。  襟元に指を差し込み、風を送る。  健太も外回り帰りらしく、額にうっすら汗を浮かべていた。 「陽斗君、今日もう帰ります?」
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