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21時過ぎ。
外回りから戻り、無人のエレベーターに乗り込んだ。
閉のボタンを押そうとし、向こうから聞こえてくる足音に開のボタンに変えた。
「すみません! ありがとうございます」
息を弾ませ中に入ってきたのは、健太だった。
「あ、陽斗君お疲れです」
健太がくしゃりと人懐っこい笑顔を向ける。
「お疲れ」
「今日も暑いですねー」
「だな」
微かな音を立てエレベーターが上昇する。
襟元に指を差し込み、風を送る。
健太も外回り帰りらしく、額にうっすら汗を浮かべていた。
「陽斗君、今日もう帰ります?」
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